2021年 12月 01日
来訪される客人のなかで緊張するのは、オーデイオを生業とされている方々です。 彼らは普段から日本全国の強者のオーデイオマニアを参拝している訳で、 耳の肥え方は半端ではないですから素直な気持ちで謙虚に相対することが必要です。 7年ぶりにいらっしゃった田中伊佐資さんは相変わらず飾らない気さくな雰囲気で、 全く抵抗感なく素直に自分を曝してしまいました。(汗) 田中さんと小生は聴き惚れる音の種類が似ていて、テナーサックスの野太いところや ウッドベースの低域弦(E弦)の音が深く伸びるところ、ランニングの走り具合など、 カートリッジの音の違いの聴き比べが楽しくできました。 ベースに Cecil Mcbee ドラムに Roy Brooks を迎えて”低音&黒さ”は申し分ないです。 期待を裏切らないセンスの良さに脱帽です。 Griffin のテンポのいいテナーに始まり、Ellington の漆黒の世界、山本剛の高音の切れ、 Pim Jacobs trio のベーシスト Ruud Jacobs の軽快なランニング。 そして George Mraz の伸びるピッチカート。 あっという間の短い時間でしたが色々な楽しいお話を聞かせていただきました。 ありがとうございました。 #
by gokurakutojigoku
| 2021-12-01 00:05
| 御来客
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2021年 11月 21日
「三角形の外接円の中心が三角形上にある場合、その三角形は直角三角形であり直径に対する円周角は、直角である」 というターレスの定理に従ったトーンアームです。 輸入代理店のご厚意でReed 5A をお貸し頂いたので拙宅で試してみます。 アームを手にした印象は比較的軽量で実効質量は軽そうです。 ピポット周辺はクルマのマルチリンクサスペンションのような美しさです。 この機構がトラッキングエラーを±0.06度の範囲に収めているそうです。 動きは軽やかで、針が内周に進むにつれてピポットが前方内周に弧を描いて移動していきます。 出音は素直で特別に突出した個性は感じられません。 キレ過ぎない解像感で、明瞭であっても派手さはなくカートリッジの音がストレートに出てきます。 音も見た目も魅力的なアームです。 トラッキングエラーを減ずる手段としては、今まではロングアームにするかリニアトラッキングアームしか 手段がなかった訳で、トーンアームはターレスの定理の応用で新たなフェーズに入ったのかもしれません。 内周歪と呼ばれるものは、①単位時間当たりの音溝の距離、②針とレコードの摩擦によって生じた静電気が 内周にいくほどレコード番にたまる現象、そして③トラッキングエラーの複合体なのでトラッキングエラーを0にしても すべてが解決するものではありませんが、①はアナログレコードの宿命なので諦めるしかありませんが、 ②と③を何とかすれば内周の歪感は相当改善されそうです。 #
by gokurakutojigoku
| 2021-11-21 00:05
| アナログ
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2021年 10月 30日
音の入り口がたくさんあっても使う入口はいつも殆ど同じ。 複数のターンテーブルとトーンアームがあってもそれは埃を被った装飾品。 そんな状態が長く続いていた。 最近そのプレーヤー周りが活気づいてきた。 カートリッジとアームの相性が面白い。 トランスが取り持つカートリッジとフォノイコの掛け合わせが奥深い。 EAR MC4 いつの間にか繋がっていました。 高い解像度と生々しさの同居が心を打つような表現に結びついていると思う。 相当に物理特性はいいがそれが無機質な質感に結びつかない。 どこか”人間味”と言いたくなるような温度感がある。 それは今は亡きティム・デ・パラヴィッチーニ氏が巻いた巻線の”味”なのだろう。 以前、当ブログの「トランスを聴く」で紹介した M・A COTTER に惚れる感性の持ち主なら引き込まれると思う。 改めて色々なレコードを聴き返しているが納得の求心力がある。 #
by gokurakutojigoku
| 2021-10-30 00:05
| アナログ
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2021年 10月 26日
HALさんこと、久保信行氏が小説家になりました。 ・・・・・えっ!マジで!? 正直、驚きました 以下、出版に際して書いたHALさんの挨拶文より抜粋です。 ーーーこの一年間で大切な友人二人を亡くしました。悲しい限りです。 その亡くなった友人、京都のグランシェフであった河上昌実氏を偲び「マルケの土になる」というタイトルで小説を書き、 新潮社から本日十月十四日に全国の主な書店に並びます。 イタリアのマルケ州ペザーロの丘に後楽園球場二つ分10ヘクタールの葡萄畑を購入してワイン造りをするのが老後の 計画とされていましたが、2020年12月8日に亡くなられました。一週間前までがん治療のため熊本の病院へ付き添いで 一緒に行き、色々な夢を聞きました。ペザーロの葡萄たちも今年は主のいない収穫祭を迎えます。代理人がワインにして 日本へ届けてくれると思います。ーーー 小生のような文才無き者が書評をするわけにはまいりませぬが、 ヨーロッパの風景が眼前に広がるような表現力に引き込まれてしまいました。 ネットで検索してくださればヒットします。 よろしくお願いいたします。 #
by gokurakutojigoku
| 2021-10-26 00:11
| その他
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2021年 10月 16日
小生のオーデイオ入門はグレース、エンパイヤ、オルトフォンのMM型。 その後SPU、EMT 等のMC型に惚れ込んで、それをしばらく聴いているうちに もう一度MM型を聴いてみようと思って買ったのが SHURE V15 VxMR。20年前です。 当時、このカートリッジの音がつまらなく感じたのを覚えています。 それで、拙宅のシステムがフォノ系はもちろんすべての装置が当時と入れ替わっている現在、 改めて聴いたらどう思うだろうと、引っ張り出してみました。 結果は想定外なものでした。 クリアーでヌケが良くフレッシュ。 最初の浮ついた足取りも数時間で落ち着いてきます。 つまらないという印象は全くありません。。 ウッドベースの量感は申し分ないしシンバルのトランジェントは最上級です。 振動系が軽いというのはこういう事なのか!と我に返ってしまいました。 トマトソースのパスタ・・・・・。 ホールトマトをじっくり煮込んだ濃厚な味かフレッシュトマトのソースの新鮮な旨味か。 要は好みとその時々の気分で選択です。 MC型とMM型は音の優劣ではないと認識しました。 MM型を引っ張り出した理由がもう一つ。 EMT JPA66 のPhono4についているキャパシタンス切替で音がどのように変化するのか。 MMカートリッジはコイルの巻数が多いので負荷容量が問題となります。 SHURE V15 VxMR の推奨負荷容量は 250pF。 つまりシェルリード線、トーンアームの内部配線、フォノケーブル、フォノイコライザーの合計の負荷容量を250pFで受けなさいと言うこと。 使っているフォノケーブルの ESOTERIC 8N-Reference Phono cable の公称負荷容量は80pF。 シェルリード線、トーンアームの内部配線も含めると100pF位になりそうです。 フォノイコライザーは100pF~150pF位と言われているので、 トータル200pF~250pF。 下のグラフは負荷容量が200pF前後がフラットで理想的なF特なのがわかります。 というわけでこの場合は 「Normal」にして負荷容量を敢えて加える必要はありません。 もちろんこれを音の味付けに利用はできます。 聴感上は 「Normal 」と 「+100pF 」の変化は小生の耳では聴き取れませんでした。 +220pF と +330pF はハイ上がりになりますがうるさいと感じる程ではないです。 またカートリッジが V15typeⅢ のように推奨負荷容量が400pF~500pF と高めの時は、 フォノイコの負荷容量を増やして推奨値に近づける方がよさそうです。 この場合「+220pF」に設定してトータル450pF位にすることになります。 久しぶりにMM型を聴いて色々と発見がありました。 フォノケーブルは負荷容量の値も考慮すべきであること。 MC型よりMM型の方がハムが乗りやすい。 レコード盤面の静電気の影響を受けやすい。 軽快で屈託のない出音が楽しい。 MC型とは違う世界の透明感があること。 拙宅の音のメニューに新しい味が加わりました。 #
by gokurakutojigoku
| 2021-10-16 00:05
| アナログ
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