2018年 04月 13日
先日の互換球の失敗から球を勉強するためにECC88(6DJ8)を5種類集めてみました。 プリアンプEAR912は5本のECC88が使われていますが、ラインステージの2本を挿し換えてCD入力で音の変化を探ってみます。 ①はデフォルトの球です。EARのマークがレタリングされてますがスロバキアの JJ Electoronic 製と思われます。 音の傾向はややドンシャリでこのプリの音の性格を形成しています。ジャズはダイナミックですがもう少し落ち着いた佇まいが欲しくなります。 ドンシャリと書きましたが、客観的に見れば下も上も伸びていると解釈すべきであって本当はまともなバランスなのかもしれません。 他の球を挿して分かったのですがなぜか解像感は少し落ちます。 ②Telefunken ECC88 お約束のダイヤ◇マーク付きです。輪郭や表情がクリアーで見晴らしがいいです。 音像は引き締まった印象ですが柔らかさも備えています。 一方で人の声に対してはストイック過ぎるかもしれません。 ③TESLA E88CC ECC88 の高信頼管。何ともありがたい事にsankanchiさんに譲っていただいたものです。 1960年代のOld STELA でgold grid & Gold pin 。手元に来てから色々調べてみましたが超レア球の様です。 sankanchiさんには心よりお礼申し上げます。 癖のない中庸を得た表現ながら透明感と柔らか味が同居したような、実にナチュラルです。 gold grid の拡大写真 ④Amperex ECC88 オランダ Heerlen factory 製の地球マーク付き。この球は我が家のJBLシステムに相性が良かったです。 演奏に深みや重量感があって、しかも解像感も良く出ていてまさにウエルバランスです。特にボーカルはピカイチでした。 地球マーク Dimpled disc getter ⑤Amperex ECC88 こちらはイギリスの Blackburn factory製のAmperexです。 ④と同様に Dimpled disc getter ですが、プレート周りの構造は細部が異なっています。 ④に比べてあっさりしていておとなしく穏健な音です。 ⑥Mullard ECC88 イギリス Blackburn factory製です。響きが厚く重々しいです。長く聴いているとお腹いっぱいになります。 これが巷で言われるMullardの音の特徴なのでしょうがウチのシステムでは重量感が勝ってしまいます。 管球ファンの間ではTelefunkenやMullardに人気がありますが、あくまでも自分のシステムとの相性ですから ブランドにこだわらないで少しずつマイナーな球も試したいと思います。
by gokurakutojigoku
| 2018-04-13 19:33
| 真空管
|
Comments(19)
Commented
by
woo
at 2018-04-13 22:38
x
やってますネェ^^
ケーブル地獄に玉転し、アレコレ遊べるところがありますね♪ 5月の死国勢の来襲に備え、基本セッティングのみ追い込むか^^;;
0
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-04-13 22:55
wooさん、「ケーブル地獄」いえいえ、ケーブル天国です。
最近、球の音を聴くより球を眺めているのが楽しくなってきました。ビョーキか!? 死国勢におもいっきり弄られてください!楽しみにしています(笑)
Commented
by
darda95_215 at 2018-04-13 23:42
うわぁ!楽しそう!球コロガシしてるとボーカルなんか同じ人が歌ってると思えないくらい違ってビックリしますよね。
音の変化の度合いで言えばケーブルより違うのでハマってしまいます。 288は使えないですか?396Aも使えるのでは?死蔵品もったいないのでいつでもハワイから発射します。 プレート電流とか私には理解できない縛りがあるようなので専門家のアドバイスもらってください。https://darda.exblog.jp/22380854/
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-04-14 00:08
dardaさん、ご配慮ありがとうございます。E288CCは違う球かな?396AはECC42と互換ですから使えないかなぁ。
まったくです!声も違うしピアノのスケールも違って聴こえるし、最初は戸惑いました。 この時間って、ハワイ時間 朝の5時くらいじゃないのー?夜更かし?早起き?
Commented
by
sankanchi at 2018-04-14 09:52
朝から嬉しい「ドキッ」ですね!
「TelefunkenやMullardに人気がありますが、あくまでも自分のシステムとの相性ですから」と弁えておられるので安心ですが、数多くの駄球を漁ってきた小生としては、痛い所でもあります。 MT管は電流も余り流さないのでエージングに時間がかかるようで、一応100時間が目安とされていますが、経験上では300時間程度は信号を入れないと本領を発揮しない球も時にはあるようです。 とまれ、お仲間(?)が増えるのは喜ばしいことではあります。
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-04-14 13:08
sankanchiさん、出来るだけ駄球に授業料を払わないために目下勉強中です(笑)。好みが合わないのは致し方ないとして贋作だけはつかみたくないですね。大枚払って偽物だったら泣くに泣けないです。エージングの時間は十分とらないと評価は難しいということですね。気長に通電してみます。
これからも沢山教えてください。宜しくお願いします。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-04 21:48
x
信者様、ブログをいつも参考にさせてもらっているRobbieといいます。遅いレスポンスですが、初めてコメントします。
私も約半年前にEAR912を手にし、その奏でる音に聞き惚れて、最近ECC88の球転がしをしていています。 突然で恐縮ながら、私なりの球の感想を。 ・Telefunken ハイファイで優等生です。最初からEARについている真空管に比べてだいぶレベルが上がります。 ・Mullard 重量感があります。繊細さはありませんが、ガンガンききたい時に向いています。 ・GE 逆に重量感がなく、軽やかです。 ・Amperex(笛吹童子)ナチュラルで強調されたところがありません。真空管らしい優しい音です。 これからPhilipsなども試してみたいと思っています。球転がしはそんなに費用もかからないのでどんどんやってしまいますね。
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-06-04 23:07
Robbieさん、書き込みありがとうございます。
Robbieさんの球の感想、まったく同感です。内容から察するにジャズ系のソースをお聴きでしょうか? 実は最近「笛吹童子」を手に入れましたがまだ試していません。Robbieさんが高評価されたので凄く楽しみです。 今後とも宜しくお願いいたします。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-05 21:13
x
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
私は6-70年代のRock、5-60年代のJazzを中心に、Classic、女性Vocalを少々聴いています。 ジャズは、マイルスやハービーなどのいわゆるモダンジャズ一辺倒でしたが、信者様の影響もあり、Milt Jacksonなど渋め系のJazzも聞き始めています。 紹介されていたTELEFUNKEN BLUES、何度聞いても飽きないですね。 球転がしをしょっちゅうしているので、EAR912の外ぶたのねじは外して、ふたをずらせば直ぐに上から球替えできるようにしてあります。 私は、信者さんが高評価を下したAmperex(地球儀)に挑戦しようと思っています。 Amperex(笛吹童子)お聴きになりましたら、感想を聞かせてもらえると嬉しいです。
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-06-05 23:09
Robbieさん、ロックからクラシックまで幅広くお聴きなんですね。EAR912はジャズ専用なのでそれほど頻繁に球転がしはしませんが、
小生も天板は外してあります。(笑)クラシックも視野に入れると違う傾向の球を求めてしまいそうなので悩ましいですね。 近いうちに「笛吹童子」試してみます。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-06 22:13
x
かつて、Marantzの真空管アンプがTelefunkenを、Mackintoshがムラードを使っていたのも頷けます。
Amperex(笛吹童子)は、いまのところ主にクラシックを安らかに聴きたい時に使っています。オーディオ的に変に演出されたところがなく、クラシックコンサートのようなナチュラルさが魅力です。信者様のようにジャズ系であれば、女性ボーカルに合いそうですね。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-06 22:29
x
以前オクターブ V40SEを使っていたことがあり、出力管の球転がしをちょっとだけやりましたが、音の力感が変わるといった感じでした。プリ管の球転がしは音の質自体が変わってくるので、出力管の球転がしより面白みがあります。ここらへんは、プリアンプ(音出しの方向性を定める)とパワーアンプ(プリからの信号を増幅する)の関係に似ていますね。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-06 22:33
x
(エキサイトブログの調子がおかしく、分割投稿になってすみません)
実はトランジスターアンプ(Ch precision L1)ももっていいて、新しめのロック、プログレ、ダイナクラールのような現代的な女性ボーカルなどは、こちらを使っています。ただ、エリントンなどのビッグバンドに興味を持つなど音楽の趣味がどんどん古くなっているので、出番は少ないです。
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-06-06 23:12
Robbieさん、書き込みいただいた内容に強く同意します。Amperexの方向性しかり、プリ管とパワー管の関係しかり、その通りだと思います。
Ch precision L1をお持ちとは、かなりのツワモノとお察ししました(笑)以前に現代トランジスタプリアンプも試聴しましたが、古いソースですと何となく「やりすぎ感」が出てしまって”しっくり”きませんでした。EAR912を聴いて古い録音が自然なフレッシュネスに聴こえた事と、最新録音も人肌に温めたようなシャープネスにやられてしまいました。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-07 21:56
x
毎日失礼します。
現代トランジスターアンプと、真空管アンプとの大きな違いは情報量にあると思います。 特に、私の使っているCh precision L1で現代ソースを聴くと、こんな音が入っていたのかと、驚くことがあります。 一方、もともと情報量のそれ程ない古いソース、例えばビッグバンドをL1で聴くと情報が分散しすぎて芯がなく薄口に聞こえてしまいます。 真空管アンプ(EAR912)は塊感があって音が濃く、いかにも昔のソースを聴いている気分になります。 私が、60年代までのジャズとクラシックしか聴かないのであれば、トランジスターアンプは必要ないと感じています。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-07 22:00
x
ところで、信者様の言われる「最新録音」は何を指すのでしょうか?
私にとって、ダイナクラールやノラジョーンズの912での再生は趣はあるものの、L1で聴く情報量に裏打ちされた「オーディオ的快楽」には抗しがたいものがあります。 ジェフベックの切れのあるギターも真空管アンプでは出せないと感じます。 真空管のEAR912も、トランジスターのCh precision L1も、なくてはならない一生もののプリアンプと思っています。
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-06-07 23:19
Robbieさん、最新録音は同じようにダイアナクラールなど最近10年位のものです。小生のシステムはジャズを60年代から70年代のJBLユニット & EAR912 & Celloで、クラシックはエール音響のユニットを現代トランジスターアンプで鳴らしています。拙宅のJBLシステムに最新トランジスターはやはり場違いなんですね。一方エールで聴く最新録音は仰るように”情報量に裏打ちされたオーディオ的快楽”が楽しめますが、ジャズを再生するとそれがイコール音楽的快感に結びつかないところが難しいですね。実はそれには理由があって、エールはクラシックに軸足を置いてバランスを取っているのでジャズがご機嫌に鳴らないのは当然なのでしょう。因みにJBLシステムで鳴らすクラシックは悲しいものがあります。
Commented
by
Robbie
at 2018-06-15 18:43
x
性懲りもなく、また真空管を入手しました。
Amperex(地球儀):信者さまのおっしゃったとおり高い次元でバランスした管です。TelefunkenのハイファイなところとAmperex(笛吹童子)の柔らかさがミックスされた音色で、どんな音楽でもいけます。 National7308(Philips e88ccと同じ):信者さまに是非おすすめしたい管です。美音で女性ボーカルや弦楽器を見事にきかせます。東京秋葉原のアポロ電子というところに後2本残っていますので、よろしければ試してみてください。 球転がしはオーディオ冥利に尽きますね。
Commented
by
gokurakutojigoku at 2018-06-16 13:17
Robbieさん、地球儀はそちらのシステムに嵌りましたか!!仰るようにとてもバランスがいいですよね。実はこちらも笛吹童子を試してみました。まだしっかりと聴き込んでいませんが地球儀と甲乙つけがたい魅力です。National7308もアンテナ張ってみます。情報ありがとうございます。
|
アバウト
カレンダー
最新のコメント
カテゴリ
フォロー中のブログ
外部リンク
最新の記事
記事ランキング
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 08月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 08月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 最新のトラックバック
タグ
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||