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信心過ぎて極楽通り越す

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2017年 01月 25日

TELEFUNKEN

群馬県の御大のブログを拝見して、「球の差し替え楽しそー」などと思っていると

何処からともなく現れてきました。こちらから探したわけではないのですが。
TELEFUNKEN_e0213363_22422563.jpg

しかし球については門外漢の小生がこんなブランド球に手を出すのは非常に危険です。

巷にはテレフンケンやムラードの偽物がは多く流通しているからです。

なかなか素性のはっきりしたテレフンケンは無いそうなので確信を得るために出来るだけ調べてみました。

取り敢えず解っているのは、元の所有者はご年配の方で1979年に東京のオーディオ店から新品を購入し

しばらく使っていたということだけ。



同じ ECC83 (12AX7) ですが外観の違う2種類。

一見すると左が「スムースプレート」と右が「リブプレート」。

プレートの長さは左が17mm、右が14mm (本物は17mmでロングプレート)

ガラス面のプリントは、左の球はやや不鮮明で強く擦ると剥がれてきます。右の球はプリントがしっかりしています。

右はゲッターの面積が大きすぎます。
TELEFUNKEN_e0213363_22425149.jpg
TELEFUNKEN_e0213363_22431709.jpg


横から見るとプレートの穴の位置が違います。

左のように長方形の穴の位置が上下に離れているのが本物とされています。

右は半円形の穴が中央に1個です。
TELEFUNKEN_e0213363_22455236.jpg

決定的なのは底面のダイヤマーク。(◇の刻印)

右には無く、S というプリントが。
TELEFUNKEN_e0213363_22433796.jpg

左のスムースプレートは本物で間違いなさそうですが、右のリブプレートは詳細は不明です。

テレフンケンの音質は昔から高評価だったようですが、1979年当時から偽物が出回っていたのでしょうか。




それで早速 EMT JPA66 の球を差し替えてみました。

緑のゴムリングは標準装備のスタビライザーリングです。

元々付属していた球は JJ です。

TELEFUNKEN_e0213363_22441618.jpg
TELEFUNKEN_e0213363_22443308.jpg
想像していた以上に変わりました。これは見事と言うほかありません。

タイトですが痩せた音ではなく躍動感があります。

明快でヌケが良く、しかも力があります。シンバルにブラシが触れる音もきれいに分離します。

不思議と硬質感は全くありません。

では「偽物」の音はどうなんでしょう?

こういう聴き方は興味半分、怖さ半分です。もしもですよー、凄く良かったらどうします?

変な話ですが差し替えて第一声は”ほっと”しました。

「偽物」の名誉のため!? に言いますが、悪くはないです。ただ、対戦相手が強すぎます。

1日通電して翌日の冷静な感想としては、全体的に甘めです。「本物」ほど明快+ヌケの良さはありません。

ベースもやや膨らむのでウッドベースのランニングがイマイチ走りません。

付属の JJ は良くも悪くも中庸で常識的バランスですが、「偽物」はなんとなく大味です。

もし凄く良かったら二束三文で買い集めて密かに楽しむという夢は断たれました。


2018年7月4日追記: いなさんという方から、本文中の「アキバフンケン」と記述した真空管はMullard製OEMでは?というご指摘がありましたが、

小生も改めて写真を見たところそれが正解であるようです。

Mullardはフィリップス系のメーカーで管壁にエッチングコードで製造情報を記してあります。上の写真を例にとると

[I63 B8B4] のように読み取れます。

I6 = ECC83 ・・・・・・・・・・・・・・・・・GA なら ECC88、TK なら ECC81 などコードが決められている。
3 = revision number(改変番号)・・・・・・・・細部の改変がおこなわれたVer. Number   
B = イギリス Brackburn工場 ・・・・・・・・・製造された工場。 ⊿ はオランダ Heerlen 工場、   
8 = 1968年 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1958年の可能性もあり。
B = 2月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Aー1月、B-2月、C-3月、D-4月-----------。     
4 = 第4週

いなさん、ご指摘ありがとうございました。感謝です。

 











by gokurakutojigoku | 2017-01-25 00:35 | 真空管 | Comments(16)
Commented by sankanchi at 2017-01-25 10:00
おはようございます。
天使の羽音に惹かれて、悪魔の囁きを聞いてしまいましたか・・・。
底なし沼へのインビテーションです。
偽物は、秋葉原テレフンケンと言われる類いの物と思われます。’70年代には既に大量に出回っていました。
当然、◇マークの無い物は99,9%以上その類いと言われています。
TELEFUNKENのいち押しはやはり、ECC803s(◇マーク付き)です。83の方が若干音に緩み(柔和)感がありますので、マランツ7等をお使いでクラシックを愛好のお方は、83を好む人もあるようですが、オーディオ的に聴きますと、SN感、粒立ち、レンジ等ワンランク上です。(小生はクールビューティと表現しており、その方向では最高でしょう。)
 ただ(始まりはじまり)、ジャズ特に’50年代から’60年代の熱くて濃い(BLUE NOTE等)ハードバップを堪能するのであれば、また、別の選択肢があります。
 1 としては’50年代製造のGEの5751(3マイカブラックプレート)です。ボーカルや管楽器の抜け、艶は、小   生はこれ以上の球には出会っていません。(ただし、’60年代以降のGE5751は全く別物ですので、不可です。)
 2 は、同じく’50年代のSYLVANIA5751(3マイカブラックプレート)でこれは、スウェーデンの軍用に   納入されていた物です。若干GEよりも締まっていますが、BASSはGoodです。

 GE5751はペアーで、諭吉3枚前後です。いちどお試し下さい。ECC83よりは濃い、アメリカのJAZZが聞けます。勿論、12AX7の高信頼管ですので、そのまま差し替えできます。

 ところで、お陰様で、Twenty、その後点灯しており、「耳福、耳福」の状態です。これでまた、更なる高みを目指して、意欲が湧いてきました。
 今度は、何をしようか、楽しみです。

Commented by ヒデ at 2017-01-25 10:02 x
信者さん

これから・・・球転がしに嵌りそうですね!!

NOS球が、これだけ数があると・・・個体差もありますから暫く楽しめますね。
Commented by gokurakutojigoku at 2017-01-25 18:20
sankanchiさん、情報ありがとうございます。これが「秋葉原テレフンケン」なんですね。調べているうちに幾度となく名前が出てきました。最初はテレフンケンのOEMかチェコのEIの物かと思いましたが、音の傾向が違うのでおかしいと思いました。
ECC803sは高値で取引されてますね。803sやGEまで興味を持つと仰るように底なし沼になるので「来る物拒まず、去る者追わず」的に今回の球で暫く楽しもうと思います。「GE5751はペアーで、諭吉3枚前後です。いちどお試し下さい。ECC83よりは濃い、アメリカのJAZZが聞けます。」これこそが悪魔の囁きです(爆)

Twentyは血流を確保されましたか。先日スタンバイ時に消費電力32wと書きましたが、動作時は33wで実はほとんど変わりません。ディスプレーoffと信号遮断のみで中身は普通に通電しているようです。どの国でもオーディオファンの最大の敵は奥方のようですからメーカーもとりあえず考えているようです。
Commented by gokurakutojigoku at 2017-01-25 18:27
ヒデさん、調べた過程で球の奥深さを知って「やばい」と思いました。NOSとは言いますが本当にNewなのかかなり疑わしいと感じたことも確かです。
Commented by darda95_215 at 2017-01-27 15:22
危険な人たちが多すぎる、近寄らないようにしよう。
テレフンケンを聴くと東京タワーを思い浮かべるんです。
華麗な色彩とシュッとしたスタイルの貴婦人。
人に話すと頭おかしいと思われますが此処なら大丈夫かな?(笑)
Commented by gokurakutojigoku at 2017-01-27 17:41
だーださん、小生としてはテレフンケンと言えば KENNY CLARKEのTELEFUNKEN BLUESなんですが、ジャケットの貴婦人カッコイイですね。
「頭おかしいと思われますが」・・・知ってました。(爆) 此処はとりあえず大丈夫です。
というより、書き込みの時間からハワイ時間を推察するに、けっこう出来上がってますねー。飲み過ぎに注意しましょう!
Commented by hyo1111 at 2017-01-29 16:45 x
はじめまして、gokurakutojigokuさんと同じ市内に居住し、同じフォノイコ(拙宅ではプリアンプとして)を使用しておりますhyo1111と申します。平素よりこっそり御ブログを覗き見させていただいて、gokurakutojigokuさんの不屈の好事家ぶりに驚かされ続けておりました。
そして遂には禁断の「玉転がし」突入に至り、自制できずコメさせていただいた次第です。
当方でも機を同じくしてTFK ECC83を差し込んでおりました。とはいえフォノ2系統とライン1系統分だけですが(汗)
803Sは高信頼管ですが、流通が低信頼度なので手は出しておりません。
是非チャレンジしてまたアップしてください。
Commented by gokurakutojigoku at 2017-01-29 23:22
hyo1111さん、勇気を出して?書き込みありがとうございます。
同じくJPA66をご使用なんですね。私は初めての球転がしにしてテレフンケンというブランド球を使ってしまった罰当たりです。免許取り立てでベンツ買うようなものです。(共にドイツ製か!)
ただ、この球があまりにも素晴らしいので敢えて他の球を転がす気になれないのが正直なところです。
803sは調べてみましたが仰るように安心して手を出せるブツはなかなか無さそうですね。
これからも時々書き込んでいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
Commented by sankanchi at 2017-02-07 15:01
こんにちは。
その後球の具合は如何でしょうか?
今日は悪魔の囁きではありません。天使の誘惑です。
「緑のゴムリングは標準装備のスタビライザーリングです。」この種の制震材はその昔、いろいろ買って試して見ましたが、(WE300B刻印のヒーターを蘇生させた球の袴とガラスの接着面参照)それなりの効果(SN)は出ますが、反作用としてガラスの音が出たり、響きが痩せたりと再生音に影響が少なからずあるので、止めました。EMTが対策として付けているのは現行管(JJ等)のSNが悪いからです。TELEFUNKEN ECC83や803s等では、極めて良好なSNが得られますので(但し、本物に限る)一般的には、なくても大丈夫です。と言うか、ない方が球本来の音がすると思います。好みの範囲もありますので、判断はお任せですが、一度、外して試して見て下さい。

Commented by gokurakutojigoku at 2017-02-08 00:31
sankanchiさん、早速試しました。
ゴムリングを外すと、高域は分離が良くなり華やかになります。低域は何故かやや奥まったような印象です。
聴き比べて要検討ですがどちらも捨て難いです。しばらくゴムリングなしで聴いてみてゴムリング有りに戻した時の印象で決定でしょうか。
聴感上のS/Nはリングを外すとテレフンケンでも僅かに落ちた(悪化した)ように聴こえますが、リング有りですとノイズと一緒に必要な”中身”も
カットされたように感じる所が判断の分かれ道です。
これは天使の啓示ですね。ありがとうございます。
Commented by いな at 2018-07-04 11:26 x
初めまして。
写真右側の「偽物」と呼ばれている球ですが、これは正真正銘の英Mullard製のECC83ですよ。
写真2・3枚目で球側面の下の方に「E91」みたいなプリントが見えますが、これは「B9**」が剥がれかけている状態で、MullardのBlackburn工場の製造であることを示しています。
参照URLを貼っておきます。
http://www.hifido.co.jp/merumaga/2f/121102/index.html
https://ameblo.jp/mojolab/entry-11765091835.html

要するに、いわゆる秋葉フンケンではなくてTELEFUNKENによる正規OEM品ということですね。
(当たり前ですが、Mullardを消してTELEFUNKENに偽造する人なんていませんから…)
Commented by gokurakutojigoku at 2018-07-04 15:10
いなさん、こちらこそ初めまして。
ご指摘ありがとうございます。実はこの球はもう手元にないのですが、写真を見るとBlackburnのMullardですね。
この時点ではほとんど球の知識もなくエッチングコードの意味すら知らなかったので見抜けませんでした(汗)
その後Mullardに何回か触れてますが、この時試聴した感想も現在の認識と一致しています。
ご指摘の通りOEMで間違いないと思います。
Commented by いな at 2018-07-04 17:24 x
すいません、私のコメントに少し間違いがありました。
「E91」みたいなプリントは「163」が上下逆になっているもので、その上に同じく上下逆で「B8*4」のプリントがある(からBlackburn工場)…というのが正しい説明になります。

私のように後から閲覧して参照する人が他にもいるかも知れませんので、些細なこと(?)ですが一応訂正しておきます。
Commented by gokurakutojigoku at 2018-07-04 22:46
いなさん、更に解説ありがとうございます。今は小生もエッチングコードの事は少しばかり判ってきているので理解できます。
確かに他の方が参照すると思うので改めて本文の中で解説しました。
Commented by BB at 2023-04-23 10:46 x
たまたま検索でこのページを拝見させていただきました。
個人的な感想です。
テレフンケンは、高域寄りでカチッチとした音。
ムラードは、厚みのある緩い音。

カチッとした音を望む方はテレフンケンで、バイオリンやアコースティックギターやピアノなど倍音を楽しむ楽器には、ムラードがマッチすると思っています。
Commented by gokurakutojigoku at 2023-04-23 17:20
BBさん、書き込みありがとうございます。
まさに仰る通りです。拙宅の装置の音は比較的厚みのある音だったためカチッとしたテレフンケンが嵌りました。
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