信心過ぎて極楽通りこす

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カテゴリ:訪問記( 15 )


2013年 11月 08日

頂きは一つ

こんな体力のない小生でも若いころは北海道の山々の魅力に取りつかれていた頃があった。

山に登るといつも己の能力の限界を再認識させられたものだ。(体力が無い、技量が無い、根性が無い)
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ヘロヘロになるのを承知で登り、予定通りヘロヘロになっている自分の精神構造に疑問を感じながら

登り切った時には一切の疑問は消滅し眼前に極楽浄土のような大パノラマが広がっているのである。

大雪山の名峰トムラウシの山頂に到達するには複数のルートがあり、それぞれに全く違う魅力があり

装備や必要な日程も異なる。
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以前から音を聞かせていただきたいと願っていたナゾ男邸を巨大な金属ラッパに背中を押され

大変お忙しいところを訪問させていただきました。

先ずは今回の目玉、エール音響製ステンレスホーン。
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凄い迫力である。大きさだけで見れば特別珍しいものではないが、この金属の肉厚は恐らくは

世界でも唯一無二でしょう。
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音を出して一同息を飲んだ。凄まじい静粛感である。“静粛”に凄まじいという形容詞は違和感を覚えるが、

むしろスピーカーからこの音が聴けることに違和感を感じてしまう。

ホーンの固有の音を一切乗せずにドライバーが発する音にホーンロードのみをかけた・・・。

そう、そう、そういう事なのでしょう。オケの弦はまるでナマを聴いているような、

本当に美しく、ホールの透明な空気感みたいな、

オーディオファンがナマを聴いたとき「ああっ、降参!」と呟くように・・・・・。

エール7550からTAD TD-4001 に換装し再度ホーンを味わってみます。
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失言です!ホーンの味はありません。

ひたすら黒子に徹してドライバーにロードをかけ続けるんです。(黒子にしては随分ピカピカですが・・・・・)
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ナゾ男さんは都合6組のスピーカーと戯れています。(何の都合かはナゾですが)

4350改は実にしっかりとした鳴りっぷりでJBL2450ダブルのエネルギー感が心地良い。
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ゴールドムンド エピローグはこの中で小生が最も気に入ったスピーカーです。
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演奏に厚みや重量感があり、それでいて鈍重さを感じないトルクのある音です。

50’~60’年代のジャズを思いっきり聴きたい衝動に駆られました。


B&W Nautilus はナゾ男さんが最も苦労されているスピーカーだと感じました。(間違っていたらごめんなさい)
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オリジナルのチャンデバで満足せずアキュフェーズの協力のもとデジタルチャンデバ DF-55を使い、

以前ステサン誌上で傅信幸氏が実験したクロスとスロープを研究され更なる高みを目指しておられる。
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ナゾ男邸の音を一通り聞かせていただき頭をよぎるあの言葉。

菅野沖彦氏の「音は人なり」である。

それぞれのスピーカーやアンプの個性を尊重しながら目指す方向は見事に揃っており、

ルートや装備は違えど常に一つの頂を目指しておられると強く感じた次第です。

ナゾ男さんの体力、技量、根性には小生は足元にも及びませんが音の嗜好は非常に近く、

今回の訪問は己の目標を再認識させるものとなりました。

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大雪山のことをアイヌ語でカムイミンタラと言い、「神々の遊ぶ庭」という意味です。

ナゾ男さんのオーディオルームに入った時このことを思い出しました。

また近いうちに是非再訪させてください。
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by gokurakutojigoku | 2013-11-08 23:40 | 訪問記 | Comments(13)
2013年 07月 19日

音は人なり

涼しい北海道から真夏の京都へ・・・。

覚悟を決めてでも行きたい場所があった。

HALさんに時間を作って頂き夫婦でお宅を訪問させていただきました。


ドアを開けると所狭しとそびえ立つ新旧JBLが目に飛び込んでくる。
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まずはホーンレンズHL90とHL89ゴールドウイングが眩しい4WAYシステム。
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今回の最大の目的は、このシステムでクラシックがいかなる音で鳴るのか確かめること。

小生の拙い経験からするとこれは明らかにジャズ用システムなのである。

だが音が鳴り出すと一瞬にしてそんなことは忘れてしまった。

どっしりと豊かな低音を土台に緊張感を強いないコクのある音である。
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オペラの肉声が実に官能的で聴き惚れてしまった。

レビンソンとマッキントッシュが織りなす肉厚でナイーブな額縁の中に

HALさんが絵筆を存分に走らせた「作品」である。



そして次に聴かせていただいたのはゴールドムンドの弩級アンプでドライブされるエベレストDD66000。
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非常に洗練されていながら冷たさのない音である。

立体的で雑味を感じさせない静粛さ。

思わずのめり込むようなリアリティーで小生を圧倒する。


前者はHALさんが20年の歳月をかけて作り上げた額縁庭園である。

言わば、思い入れがたっぷり詰まったHALさんワールド。
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後者は境内に湧き出る泉である。

最新の物量を投入し、理詰めで追い込んでいく。

しかもミネラルをたっぷり含ませて・・・・・。
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菅野沖彦氏は「音は人なり」と言った。

両者は紛れもなくHALさんの音である。
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3日間ご夫妻と贅沢な食事を摂りながらたくさんのお話をし、豊かで緻密な音を聴かせて頂きました。

至れり尽くせりの歓待、心よりお礼申し上げます。

HALさんワールドの虜になりました。
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by gokurakutojigoku | 2013-07-19 00:30 | 訪問記 | Comments(4)
2013年 05月 21日

強い刺激

札幌市郊外の海の見えるS氏宅にお邪魔させていただきました。

今年は記録的に春の遅い北海道ですが、今日は大変爽やかな日でした。
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部屋に招かれて最初に対面する黒い壁。

話には聞いてましたが・・・、

5Way完全マルチ オールホーン ピュアエールシステム。

中央に置いてあるPassのパワーアンプの大きさが分からなくなってしまいます。
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送り出しも dcs のCD+クロックジェネレーター, プリアンプは Ayre KX-R。抜かりはありません。
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ツイーターはベリリウム振動盤換装済みのエール1750、ミッドハイはエール4550。 うん、すごい!

ツイーターとミッドハイのクロスは8,800Hz。
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ミッドはエール7550。ホーンの全長は1m。ヘェー!!
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ミッドバスはエール126。ホーンの長さは3m。

3m向うに振動盤が見えますな。遠いなー。
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しっかりデッドニングされたスロートは壁をブチ抜いて・・・
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壁の外に小屋が・・・・・。ユニットは小屋の中・・・なんですね。(汗)

やるほうも凄いけどこれを許した奥様はもっと凄い。
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最後はバス(ウーファー)。

Pass のパワーアンプの後方の四角い巨大なホーンは床をブチ抜き

1階の車庫の天井から降りてきて・・・。(エーッとか、うわーとか、言葉にならない)

スロートの上に伸びる細い線はSPケーブル。(本当は細くはないけど)

灰色なのはコンクリートでデットニングされているからです。
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違う角度から。

手前が左チャンネル、奥が右チャンネル。

決して送風ダクトじゃないよ!念のため。
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そして伸びる、伸びる・・・。
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辿り着いた先にはエール160。

ホーンの長さ10m。

ミッドとミッドバスのクロスは480Hz, ミッドバスとバスのクロスは75Hz。

やるほうもビョーキだけどこれを許した奥様は神である。
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僭越ながらこのブログを見ている方の頭の整理をさせていただきますが、

このシステムは全てコンプレッションドライバー型ユニットのオールホーンなんです。

出てきた低域に驚いた。

着色されない自然な低音が湧き出てくる。

この低域を聞くと我々が使っているコーン紙のウーファーは紙の音がすると気づいた。

小生にとって紙の音がスタンダードなのに、初めて聴いたドライバーの音の方が癖がないと感じる。

凄い世界である。

ピアノの箱が等身大でそこにある。

大きな音量を感じさせない歪み感のなさ。

全体のバランスをとるまでどれだけ試行錯誤されたのだろう。

何よりも凄いのはこのシステムを構築する労力とエネルギーである。

左からマインド寺の会長K氏、筆頭檀家のO橋氏、小生、そしてこのシステムを組み上げたS氏。
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S氏の陰には奥様が隠れているが、神は滅多なことでは姿は見せないのである。
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by gokurakutojigoku | 2013-05-21 22:00 | 訪問記 | Comments(12)
2013年 03月 28日

刺激

人間、時々刺激が必要である。


刺激その1

仕事の研修を兼ねてリベロ君のオフィスを訪問した。

銀座にふさわしい高級感溢れる受付の向こうにガラス張りの研修室兼院長室。
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McIntosh XRT-20
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あんたアフォですか?

職場に置くスピーカーじゃないでしょうが・・・。
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ポンと置いただけなのに程々に鳴っている。

そうゆうスピーカーなんだよね、これ。

突き詰めると凄く良くなるよ。

良くなったら・・・・・ますます呆れそう。


刺激その2

リベロ君に連れられてマイクロファラドさんへ。
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このお店のJBL 66000、恐ろしい音です。

66000+エールのドライバー&ツイーター+スーパーウーファー!!
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驚愕の情報量とスーパーワイドレンジ。

小生があの~、と言いかけると店主の高橋氏曰く、

「その通りです。ここは実験場なんです。このシステムで得た経験やアイディアをお客様の音作りに

生かしてます。」

ここの檀家さん幸せですねー。

お店というよりは研究室かも。

高橋さんありがとうございました。

色々なお話を聞かせて頂いて勉強+刺激になりました。
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by gokurakutojigoku | 2013-03-28 17:50 | 訪問記 | Comments(7)
2011年 06月 11日

made in Germany

オーディオ仲間のCriss氏と建築家のS氏のアトリエに伺った。

お忙しいところを快くお招きいただき有難うございました。

聞くところによると氏は大のドイツ好きなのだそう。

アトリエに入ってまず目を惹くのが平面バッフル。

さすが建築家。部屋の中にもう1枚壁を作ってバッフルにしてしまった。
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ユニットはSIEMENS製ダブルコーン8inchフルレンジ×4発。

6発も試したがバランスは4発のほうが良かったとのこと。

今まで平面バッフル+フルレンジに裏切られたことがない。

どこで聞いてもいつもいい音で鳴っている。
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無駄のない堅実な作りがいい。
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プレーヤーはEMT930。

小生も一時期所有していたがこの堅牢な作りはそのまま音に反映されている。


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アイドラーのメンテにも腐心されているようで、

(左)フランツ時代、(中)バーコ時代、(右)レプリカ

右のレプリカが1番良く、バーコはスリップする。フランツはゴムが変質してベタベタする。
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アンプ類は自作管球アンプを使用する自作派。

下の写真はALTEKのモノラルプリメイン346A。

344の廉価版という位置づけらしいが違いは入力端子の数。

この個体はアメリカで拡声器用に使用されていたらしく基盤の一部が焦げており

レストアに大変苦労されたとのこと。
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氏は2003年の「男の隠れ家」に紹介されている。

確かに建築事務所なのかホビールームかわかりません・・・・・・・。
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最後にお聞かせ頂いたのは1935年製蓄音器。
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トップパネルの裏側にはVictrola。

えっ、このワンちゃんと蓄音器。ビクターでは・・・?

有名なRCAビクターはVictrolaの後身なんだそう。

知りませんでした。
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前方の観音開きの中がホーンになっている。

S氏曰く、このホーンの形はあのウエスタンの巨大ホーンの原型なのだそう。

勉強になりました。
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蓄音器の音をこんなにじっくり聞いたのは初めてである。

これがオーディオの原点なのね。
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高域も低域もない中音のかたまりなのであるが・・・・・

しかしナットキングコールがなまなましい。

何故かわからないが妙に歌手との距離が近い。

電気を一切通さないオーディオ。

しばらく頭を冷やそうかな・・・。
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by gokurakutojigoku | 2011-06-11 01:14 | 訪問記 | Comments(2)